アイドルな彼との恋語


「それからさ、林…曲作れなくなっちゃって。ホントは春にもう一枚シングル出すはずだったんだけど。林がスランプ状態になっちゃったからさ…。
その時かなぁ。
春先にね、林一人でどっかいっちゃったんだよ」








一人でどっかいっちゃった?!



いいの?




アイドルがそんな勝手なことして…。










――ん?



あれ、でも、春先って…。




私がリンと出会った時、彼は一人旅をしてるって…。











「きっと、その時に菘さんと会ったんだよね?
リンが戻ってきた時、少し晴れやかな顔してたもん。
そんで一番変わったって思ったのが、アルバムの記念ライブを苺市でやったあの後かな。その頃からまた曲作り始めて…。歌い方とかも変わったんだよ。前までは〝完璧〟にこだわってたのにさ、今じゃアドリブを入れたりとかして、楽しむようになったんだ。音楽を」







それもこれも全部、菘さんに出会ったからだよきっと。









そう言って葦名くんははにかんだ。