意を決して入口の自動ドアの前に立つ。









……だけどいっこうに開く気配がない。








あれ?



うそ私、自動ドアに認識されないほど影薄かったっけ?





かなりショックなんですけどー!











「あれ?そこにいるの菘さん?」







私の耳にそんな声が届く。





振り向くと、背中にベースを抱えた葦名くんが歩いてきた。









「どうしたの?」



「あ、えっと、その、扉開かなくて…」



「あぁ、ドアならそこにある機会でID照合しなきゃ開かない仕組みになってるんだよ」







えっ?



そうなの?




そういえばリンもIDがどうのこうのって言ってたっけ…。