その帰り道。


「なんだかスゴい事になっちゃったね…」

「そうねー」

何でもない事みたく話す龍馬。

「ねぇ龍馬?私龍馬との約束、思い出したよ」

「そう、…良かった」

優しく微笑みながら、髪の毛をクルクルと指に巻きつけている。



龍馬と私は確かに同じ小学校にいた。

ただし、学校で会った事は無い。

龍馬と初めて会ったのは病院だった。

当時小学1年生だった私は、入院中の祖母を見舞う為に母と病院へ来ていた。

母と祖母が難しい話を始めると私は決まって、病院内を探検しようとうろついていた。

そして龍馬と出会ったのだ。

龍馬は何故か、廊下の窓にへばりついてじっと外をみつめていた。