そんな晴太を見つめ、美羽はあることを尋ねた。




「知ってたんですね?」


「・・・何が?」


「あたしが、晴太さんから頂いたプレゼントを捨ててたこと」



さっき言ったとき、すでに知っていたかのように、そこに何も反応しなかった。



「あぁ。こう言ったら気分を悪くするかもしれないが、学校へ行く時からずっと美羽に見張りをつけていたんだ」



じゃぁ前に見たあれは、見間違いじゃなかったんだ。



「美羽にもしものことがあったらとか、俺の目の届かない時にどこかに行っちまうんじゃないかとか・・・な」


「そうだったんですか」




見張りを付けるなんて!と思ったが、美羽もプレゼントを捨ててるところを目撃されてるだけに、何も言えない。




「勝手に決められた婚約が嫌であなたも嫌でだから、プレゼントは全部・・・。ごめんなさい」


「嫌、俺もストーカーまがいのことをして悪かった」



“今回はおあいこな?”


と晴太は苦笑いして見せた。



それを見てつられて美羽も小さく微笑んだ。







そして



「晴太さんへの気持ち、あたし自身全くわからないけど、信じてみたいとは思ってます」



とだけ伝えた。




美羽の心の扉が開き始めた瞬間だった。