そして──────────



「・・・──それでは最後にこの度のパーティーの主役でもあります、豊川晴太さまの挨拶でございます」



パーティーもお開きの時間になり最後に晴太が話をする。




婚約披露パーティー・・・




晴太の話を聞きながら、美羽はこの数ヶ月の出来事を考えていた。





“見合いをしなさい”



その言葉から始まった。



見知らぬ11歳も年上の男性との婚約。



そして同棲。



自分の置かれた状況が理解出来なかった。



何て理不尽なんだろう。



何て自由のない世界だろう。



どうして、あたしが・・・



何度そう思ったかわからない。



だけど


あなたが


相手があなただったから


あたしは今、満たされているんだろうね。



あの二人は、憎い。



今までのことを思えば憎い。



だけど、あの二人が“見合いをしなさい”と言わなければ、あたしはあなたとは出会えなかった。



過去は過去。



捨てることも変えることも出来ないから、受け入れるしかない。



拒絶を続けることは出来ない。