連れてこられたのは、近くの大きなアウトレットモール。




「何か買うものがあるんですか?」


「ん?俺はないぞ」


「え?だって言いだしたの晴太さんじゃないですか!」



アウトレットモールなんてブランドものがちょっと安くなったぐらいのとこで、あたしなんかがポンポンお金出せる場所じゃないし・・・



「あぁ、そういうことか。買うのは俺だが、選ぶのはお前だぞ」


「あたしには手出せ・・・はっ?」



思いもよらぬ晴太の話に、すっとんきょうな声を張り上げてしまった。



「アハハ、当たり前だろう。俺だけの買い物だったらわざわざお前を連れてこねぇよ」


「だけど、何であたしに?あたし欲しい物があるなんて言ってないし思ってもいませんよ?」



もともと物欲が低いうえに、“計画”のためにお金をためているため、買い物は滅多にしない。



しかも、何で晴太さんに買ってもらわなきゃいけないの?


買うなら、自分で買うのに。



「俺からのプレゼントだ。いつもは俺の考えだけで決めてるから、お前の好み分んねぇしな」