「可愛くない?」

通学鞄の中から入れっぱなしにしていたぬいぐるみを取り出し、

机を囲うようにして集まる仲良しグループに見せびらかした。


学校という枠組み、年頃になると、教室で異性とざっくばらんに絡める人がオシャレとされる謎のルールがあるから、

男子とつるむ私は思春期満喫組に該当するのは当然のこと。

くだらない?
くだらなさこそ青春だから大丈夫。

むしろショボイ引き出しが多い方がステータス……なんてわざわざ説明しなくても、

この手の類いは女子高生の常識だから、皆知っていることだろう。


とりあえず、小崎里緒菜という私は、今の自分のポジションがまあまあ思春期としては優れていると分かっている驕りガールだ。