誰もいなくなった部屋で、どうしようもないいたたまれなさを感じた。 夕凪と居ると、調子が狂ってわけのわからない行動に出てしまう。 それでも、俺の低能な頭は、何処かで言っているのだ。 あいつは、ただの遊女だ、白拍子だと。 何処かで蔑んでいるのかも知れない。 今まで散々遊んできた、遊女と言う存在を。 そんな風に考えてしまう俺に、無性に腹が立つ。 そんなことをしたって、どうしようもないだけなのに。 兎に角、この現実から逃げ出したくて、寝れもしないくせに褥の中で掛け物にくるまっていた。