「さっきから何ニヤニヤしてるんだよ。気持ち悪いぞ。」

今度はお前か…。無神経なヤツだ。

そんなことをイチイチ口に出すんじゃない。

そんなヤツは今日みたいな日に無関係でいいよな。
気疲れしないで済むだろうからな。

教室に入った俺は、焦らず自分の席に着席する。

まぁ、ここで机の中をまさぐり、確認したいところではあるが、自然なタイミングってものがある。

気付いてはいるが、気付いていないフリをしなくちゃならない。

ふぅ~気が滅入るな。

そして、そろそろ鞄の中の教科書を取り出し、机の中にしまうという作業をする。