…まあ、いいや。
男はこの国に俺一人じゃないんだし。

まだまだチャンスはいくらでもあるんだから。

俺は過ぎたことには全然というかまったく、こだわらない主義。
それに今日という日はまだ始まったばかりじゃないか。

気持ちを切り換えて、駅から再び自転車に乗り学校に向かう。

学校に着いた俺は、靴箱の前で深呼吸をする。

そして、中を覗き込む。

ない。

ふっ。またまた鼻で笑ってしまった。

分かっている。俺には分かっている。

ない。と、思わせてこちらのテンションを一旦落としてからの~。

そして、机の中に…。
というテクニック。

これは振り巾が半端ない。

天に昇る気持ちを疑似体験できるという、いわば都市伝説に近いものだ。

俺は、猛ダッシュして教室の机をひっくり返して中を確認したいところではあるが…。

ここは、あえて引っ掛かってみようではないか。