俺の隣で眠ってしまった友達を見て思う。

馬鹿やつらだ。いや、アホゥな奴等だ。

今日という日に対して気合いが足りてない。

電車という好条件を無駄にしている。
いつも、乗る電車という規則的な生活だからこそ、今日みたいな日には何かが起こる可能性が隠れている。

つまり、この状況は…、チョコを貰える可能性が高いといえる。

しかも、電車で通学している他校の人、さらに視野を広げればOLさん…等々。ということは、尚更確率が高いであろう。

一体誰が…俺に?

おっと、こんな風に身構えてしまうと渡しづらいかもしれない。

ここは、男の余裕を見せておいたほうがいいんじゃないか。

そう思って俺は背もたれに体を預け、その時をじっと待つ。