「おっはー!」 


 勢いよく教室のドアが開いた。


 ドアの向こうには、優衣がいた。


「優衣!おは・・・」


「「直樹く~ん♡♡」」


 あたしの声を遮るように聞こえてくる女子たちの黄色い声。


 今日は、高校生活3日目。まだ3日しかたっていないのに、もう直樹と言う奴のことは全校知れわたっていて、先輩方も来ていた。


 でも、直樹はそんな野次馬も無視していた。


「「キャー!クールな直樹様も素敵!」」


 クールな直樹様も素敵って・・・あれ完全にうざがってるでしょ!あ~やっぱりうるさいわぁ~想像してた通りだわー


 「あ~もううるさいんですけど!って優衣いないし。」

 
 優衣を探すためにあたりを見渡していたら・・・直樹と目があった。


 ドキッ


 え!?なに。今のドキッって。これは恋じゃないわ。うん。アイツの顔が良すぎるからだよ。(なにその理由。)


 てか、まじキャーキャーうるさいんですけど!


 すると、あたしは勝手に体が動き出していた。


 そして、直樹の机のところに来ていた。


 「ちょっと。あんた達。キャーキャーうるさいんですけど。迷惑。」


 あーまたやっちゃったよぉ~あたしすぐ自分の気持ち言っちゃうんだよねぇ~

  「そうそう。俺、こいつの彼氏なんだけど。毎日まいにちうるさいし邪魔。亜優のところに行けないじゃん。」


 直樹がそう言った。・・・・ん?なんか変なこと言ったよね?もう一度彼の言葉をリピードしてみる。こいつの彼氏・・・こいつの彼氏~~~~~~????


 あたしは、いつのまにか直樹に腕を引っ張られて、空き部屋に連れてこられていた。