「そんな怒らないでよ、まだ何も言ってないじゃない?」
憎たらしい笑みで、俺に笑いかける。
なんだよ、この女の余裕はどこからくるんだよ。
「たとえ、お前が奈央のことをマスコミにバラしたとしても、俺と奈央が付き合ってる証拠なんて持ってねぇだろ?」
2人でいるところの写真を持ってるわけでもない。
そんなの、夏紀が一方的にマスコミに話したって、信じてもらえるわけがない。
「マスコミにバラしたりなんかしないわよ」
「じゃあ何がしたい?」
俺が聞くと、夏紀は写真を見た。
「奈央ちゃん、可愛いわよね。色白で、目がくりってしてて。」


