「それがね、すっごい偶然なの♪あたしの弟、高校生なんだけどね。クラスの集合写真見てビックリ。」
そう言った夏紀は、俺からようやく離れて玄関近くにあった棚の引き出しから、一枚の写真を取り出した。
それをピラッと俺の前に見せて。
「あたしの弟と奈央ちゃん。同じクラスだったみたい♪」
そこに写ってたのは、制服を着て桜の木の下で笑っている高校生。
その真ん中に写ってるのは、紛れもなく奈央だった………。
「コレ見た瞬間ね、日向くんの隣にいた子だって。すぐ分かったわ」
ッチ………そういうことかよ。
ダンッ!!
俺は夏紀の後ろの壁に、力強く手をついた。
「なに? お前、俺にどうしてほしいの?」
さすがにココまでくると、俺だって黙ってはいられない。


