「何階?」 「三階です」 マンションに入ると、エレベーターに乗って、階数のボタンを押す。 サングラスやらマスクやらで顔は隠しているものの、エレベーター中で誰も乗り込んでこなかったことに、少し安心して三階に到着。 「ココです」 一番端にある部屋の前に来て、夏紀はカギを開けた。 この時まで俺は、完全に夏紀に騙されていたことに気づかずに………。 夏紀の部屋に足を踏み入れてしまったんだ………。