「紅茶でいい?」 「あ、うん」 真希はコーヒーが飲めないから、あたしは買い置きしていた紅茶をだして、お湯を沸かした。 真希もいつもとちがって、複雑な表情をしていて。 ティーカップに紅茶をそそぐまで、あたしたちは一言も話さなかった。 「はい」 「ありがと」 カチャッと音をたてて、お客様用のティーカップを真希の前に置いた。 あたしはそんな真希の向かい側に座って、二人の間にしばらくの沈黙が続く。 「あのね………」 最初に沈黙を破ったのは真希だった。