「あ、日向日向!」 「なんだよ」 玄関でくつを履き終わった俺に、何か付け足すようにリビングから顔を出した和也。 「偶然が二回重なったら、それは運命なんだって!」 「………バーカ」 運命、ね。 肌寒い春の夜を歩き出した俺の足は………ある場所へと無意識に向かっていた。