「うわ〜超うまそお」
ソファーに座っている南さんは、テーブルの上の料理を見て目を輝かせている。
「これ、奈央ちん作ったの?」
「あ、はい!」
へぇ〜と言って、興味津々に料理に顔を近付ける南さん。
「奈央ちんはやめろ」
寝室から着替えて出てきた日向は、南さんの隣に座ってポカッと頭を叩いた。
「いてっ! てか俺手料理食べるのとか久しぶり」
「奈央の手料理食っていいのは俺だけだっ」
と言った日向は、からあげを指でつまんで口にいれた。
「うまっ」
「うわぁ、日向ずる」
それを見た南さんは、口を尖らせてビールの缶をプシッと開けた。
「よ、よかったら、南さんもどうぞ」
とあたしが言うと。
「だよね〜、日向だけ食べるのはずるいもん。俺もいっただきまーす♪」
と笑顔でからあげを頬張った。
「奈央の料理は俺の物なのに〜」
と少しすねた日向が可愛くて、少し体温があがるのを感じた。


