どのくらいそのままでいたのか分からない……。
そんな時、頭の上からどこかで聞いた声が聞こえてくる。
「瑠依くん………」
その声の主は、不思議そうにあたしを見つめる瑠依くんだった。
「どうしたの?」
そう言うと、あたしと目線が合うようにしゃがみこんで、あたしのほっぺに手をあてた。
「なんでもないよ……?」
「でも、辛そうな顔してるよ。なんかあったんでしょ?」
「……………」
こんな時に優しくしないでよ………。
「今日デートじゃなかったの? 彼氏さんは……?」
「………あたし、ひとりだよ……」
あたしの一言を聞いて、瑠依くんは右手にある腕時計を見た。


