「奈央っ……!」
後ろから日向の叫ぶ声が聞こえたけど、追いかけては来なかった。
つまりそういうことなのかなって、今のあたしは全部悪い方向に考えてしまう。
どれくらい走ったのかな……。
せっかくきれいにブローしてきた髪が、走りすぎたせいでぐちゃぐちゃになってしまった。
でも、そんなのも気にならないぐらい苦しくて、どうでもよくなってきて。
「もう………やだ」
なんでいつもこうなっちゃうんだろ……あたし、性格悪すぎだよ………。
苦しすぎて、涙も出ない………。
人がいっぱい歩いている道中で、あたしはしゃがみこんだ。
これから……どうしよう……。
「………奈央ちゃん?」


