「おーい、俺達いるの忘れてない?」
と、すねたようにしゃべったのは南さん。
「なんだよ、和也。邪魔すんなっ」
「あ、ひでぇ! お前が京都行くってゆうからわざわざ仕事休んできたのに!」
確かに、コンサートとかテレビ番組にしょっちゅう顔を出している南さんが、ココにいるなんて……変だと思ってたら。
「日向が呼んだの?」
なんのため?
「ちげーから、京都行くっつったら勝手についてきたんだよ。わざわざ休みまで取って……」
「いーじゃん♪最近仕事ばっかだったし。たまには息抜きだよ」
なんだ、南さんも旅行がてら来ただけだったんだ。そう安心して、南さんに視線をやる。
「? 奈央ちん、俺に見とれてる?」
「……なっ///ちがいますっ!」
「奈央、浮気か?」
と、横で眉間にしわを寄せる日向。
「ちっ、ちがうって……!」
慌てて否定をすれば……。
「んははっ、冗談だよ♪奈央ちんって分かりやすいね。じゃ、俺達もう行くね〜」
と、南さんは真希を連れて行ってしまった。


