後ろからフワッと誰かに抱き締められて感じる、大好きなぬくもり。
……大好きな声。
どうしてここにいるの……?
「日向っ……なんで!?」
抱き締められたまま振り向くと、そこにいたのはまぎれもなく本物の日向。
驚きの隠せないあたしを見て、得意の無邪気な笑顔を見せる。
「奈央に逢いたいから!! ……来ちゃった♪」
バカだ、バカ日向……。
どうしていつもあたしをこんなにドキドキさせるの?
どうしてそんなにあたしを驚かせて、余裕な表情してるの?
あたしは、日向にこうやって逢っただけで、また胸がきゅうって苦しくなるのに……。


