ドサッ。
玄関のドアを閉めて、力なくその場に座り込んだ。
「………っう。ひっぐ……っ」
一回引いたはずの涙が、また一気にバーっと溢れ出した。
………苦しいよ。
……嫌だよ。
あの後、最後の力を振り絞って煌星から逃げたあたしは、意識もハッキリしないまま電車に乗って、なんとか家までたどり着いた。
あたしは日向が好きなのに……。
信じるって……決めたのに。
どうして、電話に出れなかったの?
どうして、こんなに不安になっちゃうの?
会いたいよ………日向……。
「………ひ……なたぁ……っ」
ポタポタとフローリングの床に、雫がこぼれ落ちる。
どうしよう………。
何も考えられない………。
何もできない………。
結局そのまま、あたしは動くことができなかった。


