ワケアリ夫婦っ!!


「……出ないんだ?」
怖くて、電話に出れなかったあたし。
あたしが携帯を握った手を力なくおろしたのを見て、煌星はフッと笑う。
………もう、あたし、どうすればいいの……?
嫌だよ、日向。
あたしが好きなのは日向なのに………。
ただ黙って涙を流すあたしを見て、着信音がなったままの携帯を取り上げた煌星は、またあたしに唇を重ねた。
「………っ……」
もう抵抗する気力もないあたしは、知らなかった……。
「………こ……せいっ……ん」
『…………奈央?』
煌星が、あたしの携帯の通話ボタンを押していたことを………。
「………や……だぁ……っ」
『………っ!?』

この声を、日向に聞かれていたことを………。