ワケアリ夫婦っ!!

なんで……なんでこんなタイミングで……？
｢……やめ……て………っ｣
カバンに手を伸ばそうと、つかまれている腕に力をこめる。
けど、男の人の力には叶わなくて……。
頭がボーッとしてきたとき、煌星はようやく唇を離した。
最後に、チュッとリップ音をたてて軽く口づけしてから、まっすぐな眼差しであたしを見る。〜〜〜〜〜♪
電話はまだ鳴り続けていて、静かなこの夜の道でそれだけが響いていた。
｢………はぁ……っはぁ……｣
肩で息をしているあたしは、心を落ち着かせるように息を整える。
………電話、でなきゃっ。
力の緩んだ煌星の腕を振り払って、カバンから携帯を取り出す。
そして、通話ボタンを押そうとしたとき……。
｢いいの？｣
｢…………え｣
｢お前のこと二週間もほっといてる男の電話なんてさ、出なくていいじゃん｣
そう言った煌星は、携帯を持つあたしの手首をまた押さえつける。