ワケアリ夫婦っ!!

「女奪うときは、弱ってる時が一番良いんだって」
「……………?」
煌星がなにを言ってるのか分からないあたしは、まだ潤んだ瞳で煌星を見た。
「どういうこと……?」
「俺、奈央が好き」
「っ!?」
いつもはあたしのことを"今井"と呼ぶ煌星が、初めて下の名前であたしを呼んだ。
そして………煌星があたしを……好き?
「なっ、冗談……でしょ?」
あたしは、大事な友達として、バイト仲間として、煌星のこと……。
「お前さ、無防備なんだよ」
「………えっ?」
「誰もいねぇ俺んちにノコノコついてきたり、今だってこんな人気のねぇとこでさ男と二人きりなんだぜ?」
「だって、煌星はあたしの大事な友達……っ」
「俺だって男だよ」
「…………ッ」
なにも言えなくなったあたしは、煌星から視線をそらした。
「こっち向けよ」
「……っ、やめてよっ」
あたしのあごをつかんで無理矢理、煌星のほうを向かされる。
「俺にしとけよ」
「………っ!?」
冷たい声でそう囁かれ、気づくと煌星に唇を塞がれていた。