さっきまで高かったテンションが、一気にグッと下がってしまって………。
ほんとはもっと話してたかったし、今すぐにでも会いたい。
でも、日向は俳優なんだもん。
………我慢しなきゃ……。
家族も増えたんだし。
日向が帰ってくるまで、この家で日向を待ってるのはあたしだけじゃないんだから。
もう少し……頑張ろう。
「クゥン……」
携帯を片手にボーッとしていると、豆柴が玄関までやってきた。
「あ、ダメだよ? こっち来ちゃ」
トコトコおぼつかない足取りで、あたしのもとまで歩いてくる。そんな姿に少し、笑みがこぼれて。
「今度は名前つけなくちゃね〜♪」
あたしはフワフワの豆柴を抱き上げて、リビングへと戻った。