「真希ごめんっ……」
「遅いよ〜、リップ見つかった?」
急いで真希のもとへ行くと、裏口に寄りかかりながら携帯を開いてる。
「うん、休憩室に落ちてたの店長が拾ったみたい」
「見つかってよかったじゃん。さ、帰ろっ。あたし帰って録画したドラマ見ないと!!」
「はいはいっ」
真希と肩を並べて、すっかり暗くなった夜道を歩く。
「春休み終わったら、あたしたちも二年生かぁ……
「なに〜、いきなり?」
歩いてる途中に、自販機で買ったカフェオレを飲みながらいきなりつぶやいた真希。
「なんか、早いなぁって。去年の今は、あたしまだ奈央と出会ってなかったんだよね」
「そだね、高校はいっても、あんまり真希と話さなかったしね」
「ていうか、学校では奈央って大人しかったよね」
「あ〜、そうかも」
昔から、人と関わるのがあんまり得意じゃなかったから。
「まぁ、今こうやって仲良くなれたからいんだけどね?」
と言った真希は得意の笑顔で、あたしに寄りかかった。
………あたしもそう思うよ。って言うのは、なんだか恥ずかしくて言えなかった。


