「今井さん、こっちお願い!!」
「はい!」
「あちらのテーブルにおしぼり……」
「もう、運びました!!」
「後は……」
「水の補充もやっときました!!」
「……………」
………完璧……。
あたしの仕事のすばやさに、文句の言いようがなく、口を開けたままの店長を、"どうだ"という目で見た。
「………あなた、なかなかやるわね。今日はもう、あがっていいわよ」
「はいっ、お疲れ様でした」
昨日の電話の後に決意してから、あたしはますますバイトに力をいれた。
「真希、おつかれ」
「おつかれ。奈央、なんか今日すごいはりきってたね」
更衣室のドアを開けると、着替えている途中の真希がいた。


