ワケアリ夫婦っ!!


「あ、あたし弟迎えに行かなきゃダメだから。こっち行くね」
「あ、そっか。了解!! 明日ね」
「うんっ、奈央気をつけて帰りなよ!!」
真希は、小学生の弟がここの近くの塾に通っているらしく、時々時間があうときはバイトの帰りに迎えに行く。
遠くなる街灯の下で片手をあげて、ブンブン振る真希を見送りながら、あたしも帰ることにした。
今まで誰かとずっと一緒にいたぶん、一人になると急に心ぼそくなる。
ガコッ!!
「いでっ!!」
「あ………わりぃ今井」
いきなり開いた裏口のドア。
すぐそばにいたあたしは、そのせいで頭をぶつけた。
「いたぁ………あ、煌星くん」
ぶつけた頭をさすりながら、振り返るとそこにいたのは、相変わらず無愛想な煌星くんだった。