『オッケーしたの?』



声のトーンを落としてサオリは聞いてきた。



『んな訳ないでしょ。』



『えっ!?マジで!?断ったの!?』



『当然でしょ。』



サオリは眉尻を下げて
『もったいなーい』なんて言ってるけど
全くその心理がわからん!



顔が良けりゃ、それでいいのか!?



もっと中身のある人間に
告ってもらいたいよ。



シュウはどうかな…?



ちゃんと、自分を持った人かな…?



この日から、私たちは毎日電話をする仲になった。



不思議だ…。



妙に落ち着く声に安らぎを覚えて、



顔も知らない相手に
愚痴ったり、笑い合ったり。



おかしな関係だと思いつつ、私の携帯の着信履歴は、シュウで埋め尽くされるほどになっていた。