君と出逢ったその日の記憶。



君は今も覚えているかな?



僕はずっと見つめてた。



何となく見ていたかったんだ。



綺麗に束ねられた髪、かじかんだ頬、影茶色の瞳。



その時はまだ君が歩くとサクって音がした。


あたりまえなことだけどそれすら愛おしかった。



バス停で君は立っていた。どこに行くんだろう?





君はふと






こっちを見たんだ。



「その制服」



目を見開いて僕にそういった。透き通った声だった。白い息が漏れる。



「北坂中のだよね?」


いきなり聞かれたのでびっくりして息が出来なかった。


「っ・・そ・・・そう。今日卒業したけど」

その時の返事がちょっと冷たかったのは、緊張してたから。

分かってくれるよね?


「やっぱそうかぁ・・・いや、気にしないで!ちょっと聞いただけ!」

君は手を顔の前で振って目をそらした。

「なんで・・・・そんなこと?」


僕はとっさにそういった。

もっと話したい。