「その人」

と、言っても初対面だが。
異様なオーラを出しているその美少年は、なぜかここの制服を着ている。


静まり返った教室で立ち尽くす訳にもいかない。

手前の席に座る綾に目で訴える。

(どうしたらいーのよ!?あの人誰!?なんでみんな黙ってんの!?)

パニック状態の私は、どうすることもできず…

沈黙のまま、朝礼の時間が過ぎた。