「直!」 「新!どうしたの?」 小学校の入学式から一週間。 新と同じクラスで喜びいっぱいだった私は、放課後新に声を掛けられた。 「こいつ、卓斗っていうんだ。今日、卓斗も一緒に帰っていいか?」 新とは家も隣だし、当たり前のように一緒に帰っていた。 「いいよ!卓斗君?よろしく。私、直っていうんだ。」 「直ちゃん、よろしく!」 その時、初めてちゃんと卓斗をみた。 もちろん、同じクラスだったし知ってはいたけど、話をしたことがなかった。