【完】─片思い─


あたしは翌日、浮かない気分で学校へと向かった。

「ぁ、和おっはよ〜!」

「おはよ」

りっちゃんにあいさつをして、自分の席に座った。

りっちゃんは少し驚いたような表情であたしの方に駆け寄ってきた。

「今日、どうしたの? 食中毒にでもなった?」

「なんでよ…」

「なーんか、やけに不機嫌だね。どうしたの?」

「弟と喧嘩した」

朝も顔を合わせなかったし。

勝手に目玉焼きを作って、パンと一緒に食べて学校に行ったっぽい。

「直樹くん?」

「そう」

生意気な弟だけどね。