街灯に浮かぶ、記憶の残像。
差し出された手、笑顔、前を行く背中。


たった数ヶ月前なのにその全てが、思い出に変わる。


一軒家のような佇まい、背の高いドア。


迷いはない。なのに躊躇うのは何故だろう?
“傷つけてしまった”そんな負い目かもしれない。


押し開けると、カウンターに見える一つの背中。


「いらっしゃいませ」


ボーイの声に合わせて、中に踏み込む。