「小倉!!!」
やっぱりそうだ……。
「黒木くん……!」

「黒木。
黒木、陽向チャンとど――ゆ―関係なワケ?」
「高橋!?
何してんだよ!!離せよ!小倉から手ぇ離せ!!」

「黒木くん…。」
「小倉!?どうしたんだよ!何があった!?」
俺は必死だった。
「わかんない。でも…なんか高橋くんが……。」

「黒木。」
「高橋…。小倉に……何した…?」
「その前にさ、2人の関係を聞いてんだけど」
「2人の関係?何でもねぇよ。恋人同士とでも思ってたんか?バカバカしい」
本当は、こんなこと思ってないけど
口に出た。

「へ―…。なら、いいや」

なんだよアイツ。
ムカつく奴だな。

"なら、いいや"

凄く気がかりな言葉を残して、高橋は去った。
凄く気がかりだけど
今はそんなことより小倉だ。

「小倉?
大丈夫か?」
「うん……。大丈夫……」

大丈夫と言った小倉は…小さな身体を震わせていた。
いきなりあんなことされて、よっぽど怖かったんだろうな…。
そんな小倉を
俺は優しく抱きしめた。