その表情とか仕草が女優みたいで、でもまったく嫌味な感じじゃなくて、あたしはポーっと見とれてしまった。 「ごめんね。あの子、ほんっとに寝太郎だから」 ぶっ、寝太郎って。 見かけによらず言葉のチョイスがおかしいな、この人。 「起こしてくるから、少し待っててね」 広いリビングに通されて、ぽつんとソファに座るあたし。 別の部屋からは、おじいちゃんとおばあちゃんの話し声がかすかに聞こえた。