――そんな心配は、案の定、現実のものとなった。 午後3時。いつもの数倍気合い入ったメイクを施しながら、あたしはソワソワと何度も窓の外を見た。 一向に開く気配すらない、アキの部屋のカーテン。 寝てるな。 確実に寝てやがるな。 もしかして、約束したことまで忘れてんじゃなかろうか。 充分ありえる、あの男なら。 「ちくしょーっ」 あたしは前髪をとめているクリップをはずして、急ぎ足で部屋を出た。