酸欠で頭がクラクラした。 全身の血という血が頭部に集中してるみたいだ。 ハーハーと肩で息をするあたし。 能面のように無表情のアキ。 重苦しい沈黙の中、野球部の「バッチコ~イ!」という掛け声だけが遠くの方で響いていた。 「……ちょっと、あんた。一言くらい何か言ってよ」 「何かって」 「何かだよ」 「……」 「……」 「最近、暑いな」 「そうきたか」