ゴミ箱に紙パックを捨てて、だるそうに歩きだすアキ。 華奢な背中は、あたしを見下して拒絶しているみたいだった。 ――『ヒマ人かよ』 ヒマなんかじゃ、ねーよ。 毎日毎日毎日毎日、どうやったら嫌われないか必死で考えて大変だよ。 あんたみたいに自分の価値観を持ってる人間には あたしの気持ちなんてわかんないだろうけど―― ――ゴツッ。 突然響いた鈍い音に、アキが足を止めてふり返った。