さっきまで口数少なかった桃は、とたんにスイッチが入ったように「あー」とか「くそー」とか叫びだす。 「俺だって納得いかねーよ! かぐや命だったはずなのに、よりによってお前みてーな女にマジ惚れするなんて!」 「わ、わかったから桃、前見て運転してっ!!」 あわててなだめると、桃はフーッと息を吐いてハンドルを握り直した。 「……でもよ」 今度はぼそぼそと、ひとり言のような声で話し始める。