「じゃ、運転は桃ちゃんに任せるね。新車だから大事に使ってよ」


「エロ…大沢くんは?」


「俺は今から女の子とデート。だから人の恋愛助けてるヒマないんだよね~」



人の恋愛……。


それって、もしかして。



「心配すんな。神奈川までのガソリンは、ちゃんと入れてあるからよ」



運転席に乗りこんだ桃が、ぶっきらぼうに言った。


やっぱり。あたしのために……。



信じられない想いで、みんなの顔を順番に見る。