「電車何時か知んないけど、とにかく駅に向かいな」 「うんっ」 「がんばれ、泉穂」 「ダメだったらそんときは盛大に笑い飛ばしたげる」 あたしは立ち上がり、コートをつかんだ。 アキが今、何かを乗り越えようとしているように。 あたしにも乗り越えなきゃいけないものがあったんだ。 明日とか、そのうちじゃなくて。 今――…