お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~



「……」



そういえば、初めてアキとたくさん話したのも、今みたいにグリコが飛んだときだったっけ。


あの頃、あたしはアキのことを何も知らなくて。


彼の傷も、思い出も、弱さも知らなかったけど。




――『キレイだったよな。
こないだの虹』




あのときから確かに、あたしの世界は色を変え始めていたんだ……。