「桃、いいから……っ」 あたしはアキに手をつかまれたまま、ふり返って懇願するように首を振った。 ……あたしを完全に見捨てることができなかったアキの優しさは、痛いほどわかってる。 そして、リコちゃんの存在の大きさも……。 もどかしげに息を吐き出した桃は、唸るように低くつぶやいた。 「他の女を引きずってるくせに、中途半端に期待させるようなことすんな。 お前がそんなんだから、泉穂は――」 「わかってるよ」