先輩が学食を出ていくと、モカはとたんに素の顔に戻り、鋭い視線をあたしに送った。 ゾクッ、と悪寒。 嫌な予感。 「泉穂」 「は、はいっ」 「よろしくね」 「……はい?」 ありえねぇ!!! その日の放課後。 昇降口のそばで、あたしはひとりワナワナと肩を震わせていた。 ――『プリンスもパーティーに誘ってよ。泉穂、今まで全然あたしに協力してくれなかったんだから、そのくらいいいでしょ』