これ以上激しく動いたら、また発作が起きるかもしれない。 なのにアキはそんなこと頭にもない様子で、一心不乱にあたしの手を引っ張って進む。 やっと止まってくれたのは、突き当りの扉から外階段に出たときだった。 ガシャン!と鉄製の扉が閉まる音。 鋭く吹きぬける北風と、眼下を流れる車のライト。 「アキ……」 壁にもたれたあたしは、息を整えながら呼びかけた。