「……アキ……」 静まり返る部屋。 ところがアキは、急に立ち上がってふり返ると。 「えっ……」 あたしの手を強引に引いて走り出した。 「ちょっ……待って!」 靴もろくにちゃんと履かせてもらえず、連れ去られるように部屋を出た。 バタバタと足音がマンションの廊下に響く。