お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~



茫然としていたあたしは、桃の声でハッと我に返った。


でもアキの耳にはまるで聞こえていないらしく、殴るのをやめようとしない。



「アキっ……もういいから! ねぇ!!」



あたしは背中にしがみつき、必死で懇願した。



「お願いっ!! アキ!!」


「……」


「お願い……っ」



ゴトン、と鈍い音。


あたしはアキの背中から顔を離す。


床の上で、ようやく解放されたニーナ先輩が痛そうにもがいていた。